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ムランの二連祭壇画


「ムランの二連祭壇画」はシャルル7世の財務長官エティエンヌ・シュヴァリエの注文で制作され、シュヴァリエの生地ムラン、ノートル・ダム参事会聖堂に奉献された作品とされる。18世紀までは二連祭壇画としてムランに置かれていたが、現在はアントウェルペンとベルリンに分けられている。17世紀の記録によると、額縁は青いビロード張りで、エマーユのメダルが置かれていた。
シュヴァリエは同名の守護聖人、聖ステパノ(フランス語ではエティエンヌ)によって聖母子に紹介されている。ステパノは助祭の服を着て右手をシュヴァリエの肩に置き、左手には書物の上に殉教の責め具の石を乗せている。
室内空間は遠近法を用いて描かれているが人物との関係は完璧ではない。寄進者像は全身か胸像で描かれることが多かったが、ここでは腰までの半身像が採られている。

世界美術大全集10 ゴシック2 1450年代